「終活」という言葉を耳にしても、何から始めればいいのか分からない方は多いと思います。そんなときに役立つのが「エンディングノート」です。
エンディングノートは、自分の人生を振り返りながら、大切な情報や希望をまとめておくノートのこと。遺言書のような法的効力はありませんが、家族にとって「道しるべ」となる存在です。
エンディングノートで書ける内容
エンディングノートには、自由にさまざまなことを書き残すことができます。代表的な内容は次の通りです。
1. 自分自身の基本情報
- 氏名、生年月日、住所
- 血液型、持病や服薬状況
- かかりつけの病院や医師
いざというときに家族が迷わず対応できるよう、健康や医療に関する情報はとても大切です。
2. 財産や契約に関する情報
- 銀行口座やクレジットカード
- 生命保険や医療保険の契約内容
- 年金や証券口座
お金の情報は、家族にとって「どこに何があるか分からない」と困るポイントのひとつです。整理しておくだけでも安心につながります。
3. 葬儀やお墓の希望
「どんな葬儀をしてほしいか」「お墓はどうしたいか」など、元気なうちに考えておくと、家族が迷わず準備できます。
たとえば「シンプルな家族葬でいい」「音楽を流して明るい雰囲気にしてほしい」など、本人の思いを知っているかどうかで大きな違いが出ます。
4. 大切な人へのメッセージ
普段は照れくさくて言えない感謝の言葉や、子どもや孫への想いなどを書き残しておくのも素敵です。
「ありがとう」を形に残せるのがエンディングノートの魅力でもあります。
市販ノートと手作りノート、どちらがいい?
エンディングノートは本屋やネット通販で市販されているものが多数あります。項目が整理されているため、初心者でも書きやすいのがメリットです。
一方で、手作りノートでも構いません。自分に必要な項目だけをまとめられるので、シンプルに始めたい方にはおすすめです。
まずは「自分に合ったやり方」で取り組むことが大切です。
親にエンディングノートを書いてもらうための工夫
50〜60代の方にとっては「親に書いてほしい」と思うケースも多いでしょう。とはいえ、ストレートに「終活して!」と言うと抵抗を感じる親御さんも少なくありません。
そんなときは、次のようなアプローチがおすすめです。
- 「自分も一緒に書いてみたいから」と提案する
- 「将来困らないように、少し整理してみよう」と話す
- お盆や年末年始など、家族が集まるタイミングで自然に切り出す
一方的に「やって」と頼むよりも、一緒に取り組む姿勢を見せると受け入れてもらいやすくなります。
まとめ:まずは1ページから始めてみよう
エンディングノートは「書かなければいけないもの」ではなく、「家族への思いやり」を形にするものです。
すべてを完璧に埋めなくても、まずは1ページ書くだけで立派な一歩になります。
あなたやご両親が元気なうちに、ぜひエンディングノートを通して「未来への準備」を始めてみてください。

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