はじめに
「うちの親、まだ終活なんて考えていないみたいだけど大丈夫かな…」
50代・60代になると、多くの方が親の介護や相続について考え始めます。ですが、実際に親から「終活をしている」という話を聞いたことがある人は意外と少ないもの。
終活は親自身の安心だけでなく、子ども世代の負担を減らすためにもとても大切です。今回は、子ども世代が「親に終活をしてほしい」と思ったときにできるサポートの方法を紹介します。
1. 親世代にとっての「終活」とは?
親にとっての終活は、決して「死の準備」ではありません。むしろ「これからの生活をラクに、安心して過ごすための準備」です。
- 財産や保険の整理
- 医療や介護の希望を明確にする
- 家の中を少しずつ片づける
- 大切な思いを家族に伝える
これらを親が元気なうちに整えておくことで、子ども世代も将来の不安がぐっと減ります。
2. 親に終活をすすめるタイミング
「終活」という言葉を出すと、親が「縁起でもない!」と反発するケースもあります。そこで大切なのは自然なきっかけ作りです。
例えば:
- 親の友人が病気になった話題が出たとき
- 家族で相続や介護のニュースを見たとき
- 実家の片づけをしていて「これ、どうする?」という話が出たとき
そうした日常の流れで「終活」という言葉を押しつけずに、
「お父さんはどうしたい?」「お母さんだったらどう思う?」と自然に聞いてみましょう。
3. 親にやってほしい終活の5つのこと
① エンディングノートを書いてもらう
エンディングノートは、遺言のように難しいものではなく、親の思いや希望を書き残すためのノートです。
- どの保険に入っているか
- 銀行口座や年金の情報
- 医療や介護の希望
- 親しい友人や知人の連絡先
子ども世代がいざというときに困らないように、少しずつでも書いてもらえると安心です。
② 保険やお金を整理してもらう
親世代は複数の保険や口座を持っていることが多く、子ども世代からすると「どこに何があるのかわからない」という状態になりがちです。
「この保険、まだ続けてるの?」「この口座はもう使っていないのでは?」と一緒に確認してみましょう。
結果的に無駄な出費が減ったり、家計がスッキリしたりすることもあります。
③ 実家の片づけを一緒にする
親の持ち物は子どもにとっては「片づけきれない山」になりがちです。
「まだ使えるから」「思い出があるから」と手放せないものも多いですが、元気なうちに一緒に整理しておくと安心です。
- アルバムや写真はデジタル化する
- 古い家電や家具は処分を手伝う
- 思い出の品は「残す」「データ化」「処分」の3つに分ける
片づけは親子でコミュニケーションを取る良い機会にもなります。
④ 医療や介護の希望を聞いておく
延命治療をどうしたいか、介護が必要になったら施設か在宅か、親の希望を事前に聞いておくことはとても重要です。
実際に親が病気になってからでは判断が難しく、家族の間で意見が割れてトラブルになることもあります。
元気なうちに「お父さんならこうしたい」「お母さんはこう考えている」という気持ちを聞いておきましょう。
⑤ 相続や遺言について話してもらう
お金や不動産の話は、親子でも切り出しにくいものです。ですが、相続の準備をしていないと、のちのち大きなトラブルになることがあります。
最初から「遺言を書いて!」ではなく、
「もしものときに困らないように、どうしておきたいか教えてほしい」とやわらかく話を始めましょう。
4. 子ども世代ができるサポートのコツ
親に終活をすすめるときは「やらせる」のではなく、「一緒にやる」スタンスが大切です。
- 実家に帰省したときに一緒に片づける
- エンディングノートをプレゼントして一緒に書き始める
- 保険の整理を「私も見直すから」と提案する
親にとっても「押しつけられる」のではなく「サポートしてもらえる」感覚の方が安心して取り組めます。
まとめ
終活は、親だけのためではなく、子ども世代の安心のためでもあります。
50代・60代の私たちが「親に終活をしてほしい」と思ったら、
- エンディングノート
- 保険やお金の整理
- 実家の片づけ
- 医療・介護の希望
- 相続や遺言
この5つを中心に、一緒に取り組んでいくのがおすすめです。
「まだ早い」と思っていても、元気なうちに少しずつ始めることが、家族みんなの安心につながります。
今日から一歩、親との会話の中で「終活」の話を取り入れてみませんか?

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